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東京高等裁判所 昭和29年(ラ)98号 決定 1954年7月16日

東京都北区滝野川町一、四〇〇番地

抗告人

斎藤一衞

東京都世田谷区世田谷二丁目一、〇六八番地

抗告人

中村圭介

同都荒川区町屋町一丁目五四四番地

抗告人

伊藤久雄

同都中野区鷺宮四丁目一、〇二〇番地

抗告人

蔵部武

同都同区大和町五六番地

抗告人

駒井謙三

埼玉県蕨町御殿町四丁目四、五〇八番地

抗告人

野崎慶造

三鷹市深大寺四、〇四九番地

抗告人

古波蔵節子

東京都世田谷区世田谷二丁目一、〇六八番地

抗告人

中村初枝

右抗告人等八名代理人弁護士

河田広

萩沢淸彦

比志島龍蔵

岸星一

東京都中央区日本橋室町一丁目七番地

相手方

株式会社三越

右代表者代表取締役

松田伊三雄

右代理人弁護士

橋本武人

孫田秀春

熊谷誠

高梨好雄

抗告人らは、東京地方裁判所が同庁昭和二十七年(ヨ)第四〇四七号地位保全仮処分命令申請事件について、昭和二十九年二月二十四日なした決定に対して、抗告をしたから、次の通り決定する。

主文

本件抗告は、いずれも、これを棄却する。

抗告費用は、抗告人らの負担とする。

理由

本件抗告の理由は、末尾添附の抗告理由書記載のとおりである。

よつて、判断するに、

当裁判所は、抗告人らの本件仮処分命令の申請を理由がないものと認める。そしてその理由は、以下に附加する外、原決定が、その理由において、説示するとおりであるから、これを引用する。

即ち、本件に顕れた資料によれば、原審認定の各事実を認めるに足る十分な疏明があり(右認定に反する疏明は採用しない)、且つ右事実に対する原審の法律上の見解は洵に相当である。

抗告人らが、末尾添附の抗告理由書において、主張するところは、結局原審の認定した事実と異なる事実を主張し、又原審の示す法律上の見解に反する法律上の見解を述べるものであるから、いずれも採用しない。

又、本件に顕れた資料(疏乙第四十八号証の一の一、「記録第七八丁以下第九十一丁迄」、同号証の六「記録第四〇三丁以下第四〇九丁迄」参照)によれば、相手方は抗告人らの本件争議行為を、具体的に検討し、慎重に考慮の上、公平に、本件処分を決定したものであり、ことさらに、他の争議行為をした者に比して、差別的に不利益な処分を敢えてしたものでないことが認められるから、仮りに、抗告人ら主張の如く、本件争議行為に参加した者で、相手方から処分を受けなかつた者があつたとしても、右の一事によつて、本件処分を不当労働行為であると速断することは許されない。

よつて、抗告人らの主張は採用に由なく、その他、記録を調査しても、原決定を違法として取消さなければならない欠点は到底発見出来ないから、本件抗告を理由がないものと認めて、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 渡辺葆 裁判官 牛山要 裁判官 野本泰)

抗告理由書

抗告の趣旨

原決定を取消す。

相手方が、昭和二十七年七月二十四日附で、抗告人らに対してなした解雇の意思表示の効力を停止する。

訴訟費用は相手方の負担とする。

旨の裁判を求める。

抗告の理由

一、本件争議行為が、ピケッティングの正当な範囲を逸脱したものであるとの原決定は誤である(正本第三一丁表)

(一) 原決定は、申請人らが「取引先等の就労希望者が暴力を用いてピケを破り、強引に店内に入ろうとするので止むなく本件のように強力なピケを組んだ」との主張に対し、組合は、予め、取引先実習生等に対してはその態度如何にかかわらず「実力をもつてこれを阻止」すべく決意していたものである(同三一丁)と判示する。しかしながら、右判示が疎明として摘示しているのは、疎甲第十四号証の四「注意事項」であつて(同第十丁裏)右疎明は、単に、かかる指示がなされたという事実を示すにすぎず、現実に当日いかなる過程によつてピケッティングが行われ、いかなる理由によつていかなる状態となつたかということとは自ら別個の問題である。すなわち、原決定も「中斗委員らがピケの対象に応じ多少取扱を異にするよう事前の配慮をめぐらし」また特に「なぐつたりする暴力を使わないこと等を指示して暴力の発生を予防しようとしたこと」は認めているのであつて(同三六丁裏)本件争議行為において混乱が生じ、ピケが強化されたことは、就労希望者が先んじて暴力を行使した結果惹起せしめたものというべきである。

もつとも原決定は、通路の一部が開かれた後も穏やかに入店しようとする取引先実習生らに対してさえ暴行脅迫を加えた事実がしばしばみられると摘示しているのであるが(同三一丁裏)、この点は申請人ら及び証人小山隼人、成田初代、奈良陽太郎、高橋秀雄、中村泰三、鹿島貞子、小野地昭子のすべて否認するところであるのみならず、原審における被申請人側証人松下省二の昭和二十七年十月四日及び同十四日の証言によれば、十二月十八日三越本店においては、午後四時三十分に南口が開放されたのみであつて、他の入口は全然出入できなかつたにもかかわらず、午後五時すぎまでの三十分間に三千五百人もの客が入店しているのであつて、もし、被申請人の主張の如く、通路を開いた後も、なお妨害暴行脅迫が行われたとするならば、かかる短時間のうちにかくも多勢の者が入店できるはずがなく、この点に関する右証人の供述は信憑しがたく、したがつて、通路が開かれた後も暴行脅迫が行われたとする原審決定は、その事実の認定を誤つたものといわねばならない。

(二) 又原審は、申請人らが客の入店のため受付を設け、通行票を発行した事実を認定しているにもかかわらず「顧客を特定の場所に来させて、組合員がその目的を調査した上入店させるようなこと自体すでに正当ではなく且つ組合の準備不十分もあつて、ごく少数の顧客を除き殆んど行われなかつた」と判示している。

しかしながら、顧客の来店の目的を調査して、その目的によつて或いは入店をゆるし或いは入店を拒むのであれば格別、来意をたずねて、通行票を交付するのは、前述の如く就労希望者が強引に突進し来つた混乱を整理するため来意をたずねて以つてその顧客であることを確めるに過ぎず、顧客と他の就労希望者を区別するためのものに他ならないのであつてそれ自体不当というを得ない。また、右措置が十分な効果を挙げ得なかつたのも、取引先、アルバイト等の就労希望者の暴力行為によつて惹起された混乱によるものであるから、申請人らに対してその責任ありというを得ないのみならず顧客らに対しては、罵言威圧を加える事実はなかつたのであるから、この点に関し判示は不当である。

(三) 原決定は更に、申請人らが、直接顧客に対してもできる限り入店させないようにした(同三四丁)と述べているが、この点については、原審は、申請人らが「顧客に対しては事情を訴えてできるだけ説得して入店を思い止らすという計画をたて」たことを認定しているにすぎず(同一二丁)この事実により、直ちに申請人らが顧客に対しても直接に、他の就労希望者に対すると同様にピケをはる意思があつたと認定したことは事実についての誤認である。のみならず、ピケが強化されたのは再三陳述せる如く、単に、顧客に混入せんとする就労希望者と顧客とを区別するためのみでなく、右就労希望者の暴力行為による混乱を整理し顧客のみを入店せしめんとすることにあつたのであるから、この意味からも判示は不相当といわねばならない。

(四) 以上の理由により、本件争議においてピケッティングが正当な範囲をこえたとする原判示は誤りであり、したがつて、右判断を前提としてなされた原決定は当然に破棄さるべきものである。

二、抗告人らの責任について

本件争議行為が違法なものでない以上、抗告人らに何らの責任がないことはいうまでもないが、仮りに本件争議に何らかの行きすぎがあつたとしてもなお、抗告人らに対してなされた懲戒解雇は無効である。

これを、各抗告人毎に陳述する。

(一) 中闘委員たる斎藤、中村圭介、伊藤、蔵部について

(イ) 斎藤一衞

原決定は、本件において、中斗委員の責任を「自ら違法な争議行為を決議ないし執行指揮した」ことにおいてみとめている(同三六丁)。しかしながら、当時中斗委員は十六名であり、そのうち二名を除いては全員本件争議行為の決議執行に参加したものであることは、争のない事実である。それにもかかわらず、懲戒解雇は右七名に対してのみ行われ、他の中斗委員は、懲戒解雇はもちろんのこと何ら懲戒処分をうけていないのである。

およそ就業規則にもとづく懲戒処分の当不当を判断するにあたつては、単に形式的に当該事実が就業規則の懲戒事由に該当するか否かを抽象的に判断するのみならず、すすんで、当該労使関係において、従来如何なる慣行があつたか、他の従業員に対して如何なる処分がなされたかを考慮した上で、その軽重の当不当を論ずべきものである。

本件において、中斗委員十六名中抗告人外の中斗委員が懲戒解雇はおろか、何ら懲戒処分をうけていない事実は、使用者たる三越の会社において、右抗告人外の中斗委員の行為が懲戒に値するものではないことを示すものである。したがつて中斗委員中、とくに申請人らを懲戒解雇し得るためには申請人らにつき、特段の事情の存することを必要とする。

原審は右の点につき、単に「前記のような事実から特に責任が重いと考えた」のは止むを得ないと述べているのみであつて(同四八丁末尾)、具体的な摘示がないのでこれを具体的に原審認定の事実につき検討するに(同三八丁)原審認定の事実は、斎藤一衞は中斗委員長であつたということに止る。しかして、会社の懲戒理由は中斗委員としての責任を追及するものであり、中斗委員長としての責任を追及するものでない以上、他の中斗委員との間に何らえらぶべきところなしといわねばならない。したがつて他の(懲戒をうけなかつた)中斗委員につき懲戒の理由なしとする以上斎藤一衞に対しても懲戒を行うのは明らかに不当といわねばならない。スト参加全員に対して協力を謝した如きは中斗委員としての職責を行つたにすぎず何らその責任を加重するものではない。

(ロ) 以上斎藤二衞につき述べたことは同じく中斗委員たる中村圭介、伊藤久雄、蔵部 武につき同様である、右三名につき原審認定の事実はいずれも、右の三名が中斗委員として本件争議の決議執行に参加し中斗委員としての職責を行つたというにすぎず、斎藤一衞について述べた如く未だ懲戒解雇の事由に該らないものというべきである。

ただ伊藤久雄については右の外十九日組合員星野静江に対し暴行を加えた事実が加重されているが、右事実は、伊藤久雄の否認するところであつて、原審はその事実の認定を誤つたものである。

(二) 中斗委員以外の者の責任について

原審は中斗委員以外の者の責任について、「或いは支部斗委員として或いは組合員として特に積極的に本件争議行為を実行し」た責任を問うているのみであつて(同四七丁)各個人の具体的暴行脅迫の事実をも併せて「会社の業務を著しく妨害し」「故意に会社の信用を害し会社に甚大な損害を与えた」ものとするのか、或いは単に争議行為に参加した事実のみを以つて、右懲戒解雇事由に該当すべきものとなしたかはその区別が明らかでないが、例えば、抗告人古波蔵節子に関し原審の認定した事実を検討すればその後者、すなわち、単に争議行為に参加したのみを以つてなお懲戒解雇に該当すべきものとみなしていると考えられる。

すなわち、古波蔵節子につき原審認定の事実は(同四五丁)同人は「組合員として新宿支店において店員出入口の副班長として本件争議行為に積極的に参加し、昭和二十六年十二月十八、十九日両日新宿支店において支部斗本部との連絡に当り、十八日には盛んに放送をしたりピケ隊員に指示をしたり、ピケラインの前で労働歌のリーダーになつたりして、率先して組合員の気勢をあおり翌十九日午前中同人は争議現場にも現われ、腕章をまき、メガホンをもつて南側道路を巡回してピケ隊員の土気を鼓舞し、同日午後二時頃、南口のピケの中央にスクラムを組み、ピケ隊員に最後まで頑張るよう呼びかけ率先して労働歌を高唱しながら、体を左右に振り音頭をとつて気勢をあおつた」というにある。右認定事実は後に述べる如く事実誤認によるものであるが、かりに右認定どおりとするも、すべて、古波蔵が「争議行為に参加した」ことについての単なる形容詞にすぎず、何ら新たに加えらるべき事由は存在しないのであつて、結局のところ原審は、古波蔵が「争議行為に参加した」という事実のみによつて、懲戒解雇に処すべき理由ありと判示したといわざるを得ない。

附言すれば、当日、新宿支店においては各入口毎に班長一名、副班長一名おき、班長は男子、副班長は女子をもつてあてその数は合計十数名に上り、且つ副班長の任務は班長を補佐するに止ることは疎明により明らかなところで、古波蔵は、その多数の副班長の一人として争議行為に参加したにすぎない。

本件争議行為がかりに何らかの点で違法性ありとするも、それが中斗委員会の決議により実施されたものである以上、右中斗委員会の決議並びに執行に関与してない組合員ないしは支部斗委員が単に、争議行為に参加したという事実のみを以つて懲戒解雇の理由ありとする原審決定は明らかに不当であり破棄さるべきものである。

換言すれば抗告人らの行為が、中斗委員会の決議執行に関与し、或いは、その行為自体違法なものであるならばかくべつ、中斗委員会により決議執行された争議行為に行きすぎの点があつたからといつて、これに参加した組合員ないしは支部斗委員が、これら行きすぎの点につき、中斗委員とともに責任ありとするのは全く理由のないことといわねばならない。

以下これを各抗告人につき詳述する。

(1) 駒井謙三

駒井謙三につき原審認定事実は、当日支部斗委員且つ南口責任者として争議行為に参加したこと、十二月十八日南口において組合員らが南口シヤッターを抑圧したのを容認したこと、ピケ隊が顧客、取引先等の入店を阻止するのを指揮したこと、十九日は取引先、アルバイト学生、店員等を指示して叫びピケ隊員がこれらに対して暴行するのを助力したことである(同四一丁)。しかしながら、本件争議行為が中斗委員会により決議され執行されたものである以上、たとえ支部斗委員、南口責任者としてであつても単に争議行為に参加したのみを以つてしては懲戒解雇に該当するものということはできないのは前述の通りである。その他の点は事実の誤認によるものであるから駒井謙三に対して行われた懲戒解雇処分は無効である。

(2) 野崎慶造、中村初江、古波蔵節子については、その組合員として、或いは支部斗委員として争議行為に参加した点については前述のとおりであり、その他の点については事実誤認によるものであつて右抗告人らに対する懲戒解雇処分はいずれも理由がない。

なかんずく、古波蔵節子については原認定どおりとしても、その理由のないことは、前に詳述したところであるのみならず、昭和二十六年十二月十九日午前中同人が旅館かわさきやにいて争議現場にいなかつたこと、十八日は放送は新宿支店としては行わず他店よりの放送カーが行つたものであつて古波蔵はこれに関知していないことは証人大塚美和子、蔵部 武の供述によつて明らかであるにもかかわらず、「あの声は古波蔵のものに違いないと思う」と声のみで推論したり、単なる伝聞等のみによつて供述する等明らかに措信しがたい長谷川策三の供述のみによつてこれを認定したことは著しい事実の誤認である。

更に、中村初枝について、原審の認定したところは、支部斗委員として銀座支店において争議行為に参加したこと、当日事務服を着ていたこと、十二月十八日早朝ピケ隣員を指揮して同支店裏口シヤッターくぐり戸を外部からおさえてあかないようにしたこと、シヤッターがあいてからはピケ隊員を指揮してスクラムを固め会社側からの開放の要求に応じなかつたこと、同日午前七時半頃桑原雑貨部長を指さして、同人が暴力をふるつた旨叫んだことであるが、右事実中、十二月十八日早朝ピケ隊員を指揮していたことは抗告人において否認するところであるみならず、株式会社三越の主張するところによれば、同日同時刻には同入口には組合役員がいないので中村初枝が指揮したというのにも拘らず、証人小野地昭子の供述によれば、同時刻に組合役員なる吉川、田草川、高橋らが同地点にいたことは明らかであつて、中村初枝が指揮する必要もなくその事実はない。この点に関し判示は明らかな誤認である。また、桑原部長を指して云々の事実についても証人小野地昭子の供述によれば、指して叫んだのは中村初枝でないのみならず、かりに叫んだとしても、叫んだのみでは違法行為ではなく、桑原が道路の方にひつぱり出されたことについて中村初枝は何ら関係していないのであるから、この点につき中村初枝が何ら責任を有するものではない。その他の点にいたつては事実が原審認定のとおりとしても懲戒事由となるものでないから中村初枝についても同様にその懲戒解雇処分は理由なきものといわざるを得ない。

三、不当労働行為の主張について

前にも述べた如く原決定は単に「被申請人がかような不当行為につき、前記のような事実から特に責任が重いと考え申請人らを懲戒解雇にしたのは使用者としては一応やむを得ない」と述べるのみであつてその理由を示すことなく(同四八丁)、また「一般に使用者がある従業員に対してはことさらに軽微な不当行為をとり上げて不相当な重い処分をし、同じ行動をした他の従業員は寛大に取扱い、しかもその差別の理由がその従業員の正当な組合活動と認められる場合には不当労働行為が成立し得る」ことを認めつつも本件においては「申請人らの各行為はいずれも会社業務を著しく妨害する不当な行為である」からとして不当労働行為の成立を否定する。

しかしながらすでに再三述べた如く「軽微な不当行為」といい、「不相当な重い」処分というも、これすべて相対的なものであつて、その企業、労働関係の実情をはなれて判断すべきものではない。

本件においては前述の如く中斗委員中抗告人らとそれ以外の者との間に、中斗委員としての責任に差のない以上、抗告人外の中斗委員に対し、軽度の懲戒処分すら行われていない点よりみると少くとも本企業に関する限り「中斗委員として本件争議を決議執行指導」した(会社の追求する責任はこの点である。答弁書第二抗弁並びに主張四(一)第二五丁)ことは、未だ解雇はおろか懲戒処分にも該当するものでないことがうかがわれる。この点は他の中斗委員外の抗告人についても同様であつて(原審申請人第六準備書面の二)会社は抗告人らに対し明らかに他の従業員に比して不利益な差別待遇を行つたものに他ならない。しかして、右差別待遇を行うに至つた理由は、抗告人らが平素の組合活動を活溌に行つたことにあることは、抗告人主張のとおりであるから(同上第六準備書面四の二)この点につき原決定はその判断をあやまつたものというべく、原決定は破棄さるべきであり、抗告人らに対する懲戒解雇処分は無効である。かりに抗告人ら中に一、二組合活動につき他の従業員に比し著しく活溌でないものがあつたとしても、それは会社の不当労働行為の意図を秘匿せんがためにこれらの者に対しても懲戒処分を行つたものにすぎず、その他の者に対する不当労働行為の成立を妨げるものではない。

四、その他原審における申請人の主張並びに疎明(特に事実誤認の点につき第五準備書面第三主張及び第六準備書面の二)を援用する。

右陳述する。

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